阪神鳴尾浜球場

タイガースの若手選手を育てるタイガーデンは久万オーナー、三好球団社長が残した最大の功績です。建設後5年を過ぎた頃から、この充実した施設で鍛えられた若手選手らが一軍に登場するようになりました。02年にファンを沸かせた井川慶投手や浜中おさむ選手らがその代表例です。


阪神高速道路鳴尾浜インターチェンジの隣に位置するタイガースの合宿施設「TigerDen」、その球場部分がウエスタンの公式戦も行われている阪神鳴尾浜球場です。
住所:兵庫県西宮市鳴尾浜1-3-9
阪神電鉄甲子園駅から阪神バス「鳴尾浜」方面に乗車するのが便利です。

車は非常に便利ですが球場周辺は全面駐車禁止となっています。実際には多数路上駐車していますが、甲子園警察署から球団の方に苦情が入っています。また公式戦の日には甲子園警察の路上駐車取り締まりが行われます。路上駐車しないように協力しましょう。隣の体育館の駐車場は行事がない日は使用できます(1日500円)。
鳴尾浜球場は兵庫県の造成地として1980年代に造成された埋め立て地「鳴尾浜」の北端部に位置します。球場正面、鳴尾浜臨海公園の北側に、もともとの海岸線があります。
タイガーデンの施設は1994年秋に完成しました。1995年1月17日の阪神大震災でグランドは液状化現象により使用できない状態になり、急遽補修が行われました。使用不能になったグランドの写真はベースボールマガジン社の「阪神タイガース60年史」に掲載されています。
グランドは1995年のウエスタンの公式戦から使用され始めました。この年入団した田中秀太や前年入団の平尾博司・高波文一、97年入団の濱中治・関本健太郎らが順調に育って1998年からのウエスタン連覇優勝につながります。この施設により二軍選手の育成は順調に進みました。写真は打撃練習に取り組む吉田浩選手です。
鳴尾浜球場のグランドは甲子園と同じ土、同じ形状のマウンド、同じ芝生という仕様で阪神園芸株式会社の手によって整備されています。(写真は試合後の整備)鳴尾浜球場完成時にグランド整備を担当したのは浅越桂一氏でした。 平尾・田中ら内野陣が一軍昇格後すぐに甲子園で好守備を見せたのは、このような整った環境で鍛えられた為です。
センターは甲子園と同じ118mですが、両翼はラッキーゾーンがあった頃の甲子園球場のサイズに作られています。甲子園と比較すればやや狭い。よって、本塁打の柵越え本数は甲子園と比較しても意味がありません。もちろん球場全体に高いネットが張り巡らされていますので、160m球の本塁打を打っても大丈夫です。長距離打者の育成には問題ない施設といえます。
球場の三塁側には合宿所の虎風荘があります。写真は一塁側スタンドから三塁側ブルペンと虎風荘方向を撮影しています。
試合ではタイガースは三塁側ベンチを使用し、ビジターチームは一塁側を使用します。
スタンドは入場無料で自由席ですから、試合中もブルペンや一塁ベンチの動きを観察したい人は一塁側にて観戦します。お目当ての選手がいる鳴尾ギャルや、タイガースを応援したい人は三塁側スタンドに集まっています。
鳴尾浜球場では基本的に鳴り物の応援はみんなが自粛しています。二軍にはハッピやメガホンも似合いません。それが正しいかどうかは解かりませんが、私は育成段階の2軍選手にはその方がいいのかとは思っています。静かなため、掛け声や個人応援、ヤジは確実に選手に届きます。
写真はプロアマ交流日本生命戦で安打を放つ藤原通選手をバックネット裏最上段からの撮影です。鳴尾浜の最大のメリットはスタンドとグランドの近さです。甲子園のライトスタンドからでは選手の細かい動きまでは見えません。
鳴尾浜球場ではナイター設備はありませんがウエスタン公式戦の約30試合、及び教育リーグや練習試合、プロアマ交流戦など年間約60試合を開催します。高校野球期間中などで甲子園が使用できない場合には一軍の練習を行う事もあります。
試合の他、球団の公式行事、公式練習日はスタンドが開放されていて自由に見学が出来ます。ただし、自主トレ期間中は選手が練習していてもスタンドを開放しない場合がありますので、ご注意下さい。

制定:2004年3月17日

げんまつWEBタイガース歴史研究室