カレーライス

たまに、甲子園のカレーはレトルトだから- という無知な方がおられます。食べてみたらわかる。


甲子園球場のカレーは大正13年の甲子園完成当時からあったそうだ。
元々、戦前戦後はハイカラな食べ物で人気があったが、本当の意味で名物になったのは1980年だ。
ホテル阪神などでコック歴20年の遠部勝さんは、その腕を見込まれて阪神喫食営業係長に抜擢された。遠部は万人受けするカレーの開発に努めた。甲子園のカレーのレシピは遠部が開発した。
遠部は製造を委託する業者に、大阪市城東区のベル食品工業を選んだ。ベル食品工業は1952年創業で固形ルーを最初に開発したカレーの老舗で、私が知るだけでも、甲子園ホテル・三田家などのレストランのカレーを作っている。 (ベル食品工業 城東区鶴見1−6−117 06−6912−7108)


ベル食品工業では、牛肉やタマネギなどの素材を混ぜ合わせて85度で加熱、その後15日間熟成させる。以前は、50人分を9キロの缶詰に入れて甲子園に出荷していたが、現在は10人前を2kgのレトルトパックに入れて出荷する。外野スタンドなどの厨房がない場所で販売するものはレトルトパックで一人分に分割して出荷される。
そして甲子園球場の1階内野下の厨房に納入される。(1号門横の緑のテントの場所)

甲子園カレーの売上は、団体で弁当を購入している高校野球大会よりも、ナイターのプロ野球のほうが圧倒的に多く、1日最低で4000皿は売り上げるらしい。

普段売っているのは、リンゴエキスの入ったさっぱりしたカレーだが、辛いバージョンもあります。過去2度ほど、辛いカレーを売ったシーズンがあり、味はよかったのですが、子供が食べられないので不人気でした。最近でもオープン戦限定などで、たまに幻の辛いカレーが出る時がありますが、カレーが好きな人には絶対お勧めです。


制定 : 2006.4

げんまつWEBタイガース歴史研究室