浜の宮

タイガース最初のキャンプを行った地


山陽電車「浜の宮駅」は大正12年に出来た古い駅だ。
各駅停車しか止まらない駅。「浜宮天神社」がある事以外に、特に有名なものはない。そういうわけで、私も一度もこの駅では降りた事がないので、一度訪問してみた。
駅前は広いロータリーになっているが閑散としており、スーパーや商店が数件、東側には広い自転車置き場がある。
さすがに、70年も昔の気配は駅を降りた程度では感じられなかった。とりあえず、情報収集のため駅前で食事し、浜宮天神社と市民グランドへ向かうことにした。
浜宮天神社への参道は南から入るのが正しいのだが、神社の裏側の方が駅からは近い。浜宮天神社は菅原道真公を祭っています。
駅か東へ数百メートル、駅前では想像できないほど松が多い。これが「浜の宮名勝林」なのでしょうね。目に付くのは細くて樹齢100年までのものが多いですが、社殿にあった松の木は樹齢550年だそうです。この松林は森監督率いるタイガースが初めてのキャンプを行った頃からあるのは間違いない。選手らは、同じように松林を眺めたのでしょう。本当にすごい松林です。小学校も隣接していますが、ここも昔は公園だったそうだ。
市民グランドはそんな松林に囲まれています(写真)。このグランドは1954年完成なので直接は関係ない。ただ、浜の宮球場もこのあたりにあったそうです。
このグランド、小学校、そして隣接する市民プールのあたりが昔は遊園地(?)になっていたようで、遊園地の中にグランドがあったのです。戦時中、松林があるため敵に発見されにくくなると考えたのか、日本軍の通信部隊などが陣取り、昔の設備は崩されたそうです。
おそらく、今のグランドと同じように、松に囲まれたひっそりした球場だったのでしょう。寒風の松林の中で行われた初めてのキャンプを、ひっそり想像してみました。

げんまつWEBタイガース歴史研究室