レオポン


阪神パークの名物と言えば、ヒョウとライオンの合いの子「レオポン」でした。

外国にライオンとトラのライガー(父が虎、母がライオン)やタイゴン(父がライオン、母が虎)という先例があったようです。単に阪神パークに珍獣を置くのならタイガースなのだから「タイゴン」でもよかったのでしょうが、虎よりもヒョウの方が生態的にライオンに近いという事でヒョウとライオンを交配させる、それが阪神パークの「レオポン製造計画」でした。

ライオンとヒョウでは体格も違うためレオポン製造計画は簡単ではなかった。
父親がヒョウの甲子雄(かねお)、母親がライオンの園子(そのこ)、共に1955年生まれの2頭を幼少の頃から同じ檻で育てる事にしました。阪神パーク職員の近藤義一郎さんが交配の担当でした。

1959年、11月2日に初めてのレオポンが生まれました。(写真はレオポン誕生の記録写真から抜粋) レオポン1号・2号と呼ばれた2匹の名前は公開に先立ち公募で決められました。先に生まれた方のオスが「レオ吉」、メスが「ポン子」となりました。
さらに1961年6月29日に3つ子が誕生し、「ジョニー」「チェリー」「ディジー」と名付けられました。
ディジーだけは8年で死んでしまいましたが、他は12〜18年、最も長く行き続けたジョニーは阪神優勝の年の1985年7月19日まで24年間も生き続けましたが、この一家以外にレオポンが存在しないため、子孫を残すことも出来ずジョニーの死と共にレオポンは絶滅してしまいました。

その後、モノレール乗り場の前のレストランの2階のレオポン館に剥製が展示されていました。
2003年に阪神パークが閉園されるにあたり、5匹のレオポンと両親の剥製が大々的に展示されました。
前列右からディジー・ジョニー・チェリー、後列右から甲子雄・ポン子・レオ吉・園子。
阪神パーク閉園後、剥製は資料として大切に保管されています。
神戸新聞 2004年4月10日
ヒョウとライオンを掛け合わせて誕生し、昨年三月に閉鎖した阪神パークで人気を集めた珍獣「レオポン」のはく製が十日から、西宮市のリゾ鳴尾浜で一般公開される。 (略)
公開されるのはジョニーのはく製で、同パークを経営していた阪神電鉄(大阪市)が昨年、西宮市に寄贈した。八五年、二十四歳で死んだジョニーは、人間の百十二歳に当たる長寿をまっとう。体重は五頭中最も重い一三五キロで、荒い気性の持ち主だったという。ほか四頭のはく製は、国立科学博物館(東京都)と大阪市立天王寺動物園が所蔵している。
リゾ鳴尾浜に入ってすぐの所にレオポン・ジョニーの剥製が展示されています。(レオポンを見るだけなら入場料は必要ありません)
生きているレオポンを知らない世代が増えてきました。透明な展示ケースに「レオポンって知ってる?」と書かれています。今でも西宮にレオポンがいる事、阪神パークに子供の頃に行った皆さんに知っていただきたく写真をUPしました。

写真
上段の写真(誕生間もないレオポン)はアサヒグラフに掲載されていたもののコピーです。
中段、および下段の写真 げんまつWEB撮影

制定:2003年8月
改訂:2004年4月10日 神戸新聞記事追加
改訂:2006年8月12日 リゾ鳴尾浜訪問

げんまつWEBタイガース歴史研究室